フランスの「ミシュランガイド」で三つ星、「世界のベストレストラン50」で世界一、さらにオーナーシェフのMauro Colagreco マウロ コラグレコさんは料理人を評価する「世界のベストシェフ100」で1位と世界の三冠に輝くMirazur ミラズール。そう聞くと格式高くてテーブルマナーも難しそうって思いますよね。ところがここ究極のヒーリングプレイスなんです。
▲オーナーシェフのマウロさんはイタリア系アルゼンチン人
▲手前の白い建物がミラズール。空と海の間に浮遊するこの天国感ったら
イタリアとの国境からすぐ。地中海に面したレモンで有名な南仏の小さな田舎町マントン。この町外れの丘の上にある一軒家レストランがミラズールです。太陽の光が降り注ぎ、どこまでも続く海を臨む全面ガラス貼りのダイニングも素敵ですが、ここの主役は「ガーデン」と呼ぶ自家菜園。太陽と月、地球のパワーの流れに溶け込み自然の一部として共存するバイオダイナミック農法の考えを取り入れ、その土地の自然を切り取ったようにさまざまな野菜やハーブが区画を設けずあるがままに混ざり合って育っています。ガーデンを散歩するニワトリもかわいい。
▲庭には収穫した野菜やハーブで発酵食や保存食をつくるラボのようなスペースも
メニューはなるべく月の満ち欠けに沿った「根」「葉」「花」「果実」の4種類。私が訪れた日は「葉」のメニューでした。「身体が葉の力を求めているのかもしれませんね」とマウロさん。食材は「徒歩3分圏内」のガーデンの野菜やハーブを中心に、車で20分くらいのイタリアの市場とフランスの市場のオーガニック農家(毎日国境を超える)、マントンの漁師が水揚げする目の前の地中海のシーフードなどを使っています。
▲植物の酸味や苦味をそのまま生かした透明感のある清らなか味がマウロさんの料理の特徴
ガーデンを散策して(予約時に希望すればガーデンツアーをしてくれます)ハーブを摘み、気候がよければ庭の芝生に敷かれたクロスの上で潮風を感じながらアペリティフを楽しむ。人なつこく穏やかなマウロさんやフレンドリーなスタッフの笑顔も相まって、ここでは時間の流れさえも別世界のよう。癒される…。
「せっかくここまで足を運んでくれたゲストが、都会とは異なる時間と空間に身を置き、自然の恵みを味わうことで心身のバランスが整い、健康になってくれることを目指しています」とマウロさんは言います。
▲デザートまで完食して満たされているのに心も身体も軽やかな食後感
私が世界でもっとも好きなファインダイニングのひとつミラズール。なんと2023年に東京に上陸します。このコラムでおなじみのレストランが好きな人にとっては、好みの味の方向性になるとか。きっとみなさんのお気に入りの場所になるはず。オープンが待ち遠しいですね。
Mirazur ミラズール https://www.mirazur.fr
*公式サイトから予約できます
*記事内の情報はすべて訪問時のもの。季節やお店の事情により変更されます