庶民派大好き・ご当地グルメ
某雑誌の取材で訪ねた福岡県北九州市。門司と若松というローカルエリアで見つけた最強B級グルメをご紹介します。いずれも味わいのある食堂なんですよ。
北九州の門司港はご存知でしょうか?筑豊炭田を背景にかつて九州の玄関口として栄えた港町です。駅舎は国指定の重要文化財、港の賑わいは、今は門司港レトロ地区として整備され、ロマン溢れるデートスポットとして最適の街です。
この街で見つけたのが「ちゃんらー」というご当地グルメ。チャンポン麺を使ったラーメンのような食べ物ということで、この名があるそうです。これは試してみたい! と、地元の方のおすすめ、中央市場にある『都食堂』を訪ねました。お洒落なレトロ地区とはまた違った、地元ご愛用の中央市場は昭和の香り漂うアーケードで、半分ほどが店を閉めているシャッター商店街。なんとなく哀愁感が満ちる市場のなかに、都食堂はありました。
う〜ん、味のある店構え。地元の憩いの場という雰囲気。いいですねえ。店頭にはお惣菜やおにぎりなどが並び、常連のおばちゃまが、いつものね、という感じで買って帰って行きます。店内はカウンターのみ。さっそく、ちゃんらーを注文します。このちゃんらー、いつ生まれたのかは定かではないようですが、50年位前にはあったのでは、ということ。門司ではおやつ代わりに食べていたらしです。はいどうぞと、お母さんが出してくださったちゃんらーは、たしかにチャンポンの麺で、出汁はうどんだし。ここに胡麻油で炒めたもやしがパンチとなって、ラーメン風になっているのです。けっこう好きな、『マルタイの棒ラーメン』のスープに似ています。昭和レトロです。しかも350円。ご馳走様でした。
もうひとつ、若松という街で見つけたのがお好み焼きの店『山田食堂』の「ネギ焼き」です。山田食堂さん、長屋風の建物に店を構えているのですが、屋根がなんとなく傾いでいるような。。。こちらも地元で愛されている感がにじみ出る店内です。ネギ焼きはクレープのように生地を薄く延ばす広島風です。その上に山盛りのネギと天かす。二つ折りにして供されます。熱々を頬張るとあっさりした醤油味で、もたれず、いくらでも食べられる旨さです。このお店、開けっぴろげのオープンキッチンなので、鉄板の上で手際よく調理される焼き飯や焼きうどんや、焼きそばらが、皆、美味しそうなんですね。私の好物の焼きそばも味わいました。細麺で野菜たっぷり、こってりしすぎないソース味。癖になる美味しさ。これで紅生姜があれば文句なしでした。テイクアウトもでき、電話で注文したお客さんがホイルと新聞紙に包まれたお品を次々と受け取りにやってきます。なんだか和むなあ。ネギ焼きは370円、焼きそばは450円。仕事でなければ、「お母さん、ビールね〜」と叫んでいました。
都食堂 福岡県北九州市門司区老松町2-11
山田食堂 福岡県北九州市若松区中川町1-18