今日も古墳日和 by 多田みのり

奈良市観光大使オススメの奈良旅 Vol.12

奈良にある官道「横大路」ができて1400年を迎えます!
「横大路1400年記念国際シンポジウム&映画上映会」のお知らせ〜

★「横大路」ってご存知ですか?
大阪竹内峠から、奈良県中部の橿原市を横切り、三重県名張へと抜ける古代の大動脈「横大路」。今も現役の道路(国道166号)として、また古跡として、歴史をしのぶことができる日本最古の官道のひとつです。
その歴史は古く、『日本書紀』の推古天皇21年(613年)の条に、「難波より京(飛鳥)に至る大道を置く」という記述があり、この「大道」が横大路なのです。

古代の道路網は下図のような感じでした。

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横大路のほか、上ツ道、中ツ道、下ツ道など、奈良の旅のテーマには、こうした古代の道を辿るものも多くあります。古代人が歩いた道を、古代に想いを馳せながら歩く...まさに古代好きにはたまらない至福の時。私も大好きで、あちこち歩いています。
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横大路は、大阪難波宮から堺まで一気に南下し、そのあとは竹内街道と一緒になっています。竹内街道は葛城あたりまでで、その後は横大路単独で東へと延びて行き、その先は伊勢へと至ります。都が飛鳥や藤原京に置かれていたときには、多くの外交使節がこの道を通り、また江戸時代にはお伊勢参りや大峯山参詣に向かう人々が行き交ったことでしょう。

130808nara12-03.jpgのサムネイル画像特に、横大路と下ツ道が交差する「八木札の辻」は旅籠や商店が並び、多くの人で賑わったと伝わります。『西国三十三所名所図絵』の「八木札街」には、
「晴雨暑寒をいとわず、平生に旅人間断なく、至って賑わし」
とあり、高札が掲げられ六角形の井戸(今も現存する)を中心にした十字路に、人の往来が描かれています。毎朝魚市が開かれ、旅籠は広々としてキレイで、伊勢や大和、西国巡礼の人々は日も高いうちからここに宿を求めてきたそう。このあたりでは屈指の繁華街だったようです。きっといろいろな国の人が、情報交換したりしていたのでしょうね。なんだかとっても楽しそうです。

数年前、この通りを歩きましたが、今も趣きある民家が残り、タイムスリップしたような感覚が味
わえます。特に札の辻は、東西に「平田家」が2件向かい合い、いずれも旅籠の風情を残しています。その「東の平田家」は、八木札の辻交流館として公開されており、建物の見学が可能です。落語会などのイベントも開かれているようです。

その横大路が今年、開通1400年の節目の年を迎えます。
繰り返しますが、1400年ですよっ!
さすが奈良です。この記念すべき年を祝い、国際シンポジウムと映画上映会が9月21〜22日に開催されます。

★「〜道〜 その遥かなる記憶」
 横大路1400年記念国際シンポジウム&映画上映会

9月21日(土)※要申込
国際シンポジウム(奈良県橿原文化会館大ホール 13:30〜17:00)
豊田有恒氏(作家)

王勇氏(浙江工商大学日本文化研究所長、北京大学客員教授)
馬場基氏(奈良文化財研究所主任研究員)

13:30〜14:40 豊田有恒氏講演
      「中国、韓国から、推古大道に至る古代ルート〜古代渡来人は、どうやって日本へ来たか〜」    
14:40〜15:30 王勇氏講演
      「謎めく推古十二年の遣隋使 〜海をわたった遣隋使はなにを求めたか〜」
15:45〜16:00 中国内モンゴル留学生による、馬頭琴演奏&歌
16:00〜17:00 対談「横大路と古代東アジアの文化交流」 
       豊田有恒氏&王勇氏(コーディネーター馬場基氏)
●詳細や申し込みは下記を参照してください。
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9月22日(日)
・映画上映 「道」や「奈良」をテーマにした映画を上映(奈良県橿原文館大ホール 10:00〜18:00)
 ①天平の甍(10:00〜) 
 ②敦煌(13:00〜)
 ③火の鳥 ヤマト編・鳳凰編(16:00〜)
●詳細は下記を参照してください。
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***
「子供から大人、高齢者までが楽しみながら参加でき、地域とともに盛り上げるエリア的な広がりのあるシンポジウム」というコンセプト通り、初秋の夜を楽しむイベントや映画上映あり、気軽に参加できそうです。
1400年目、という普段耳にすることの無い、壮大な時の流れを感じさせるアニバーサリーイベント。ぜひお出かけになってみてくださいね。

(取材・執筆 多田みのり)

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