あなたも「近代化遺産」萌え! by 関屋淳子

タイで「グリーン・トラベラー」になろう! vol.2 カオラック&カオソック

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微笑みの国・タイ。

タイ政府観光庁のエコ研修ツアーに参加してきた関屋が、

知られざるタイの魅力をご紹介します。

 vol.2 【カオラック&カオソック】 山あり川あり湖あり

 プーケット国際空港から車で約1時間、アンダマン海に面するパンガー県、カオラックは真っ白な砂浜の美しい海岸線が南北に延びています。カオラックはマンタやジンベイザメとの遭遇率が高いシミラン諸島やスリン諸島への玄関口となっており、世界中のダイバー憧れの地です。ここ数年、洗練された高級リゾートホテルが次々とオープンし、喧騒のプーケットとは違う、静かなビーチリゾートになっています。

 ビーチの背後にはカオラック・ラムルー国立公園があり、エレファント・トレッキングやジャングルツアーなどが人気です。カオラックから北東へ車で1時間ほどのところにはカオソック国立公園があります。複雑な地形にうっそうとした熱帯ジャングルが広がり、野生の象や虎、ヤマネコ、バクなどの希少動物が生息。また10月〜1月の乾期には世界一大きな花・ラフレシアが咲くことでも知られています。両エリアは、カオラックやプーケットのホテル出発のオプショナルツアーなどで行くことができますが、今回ご紹介するポイントはいずれもまだ日本では馴染みの薄いところです。


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 海沿いから車でずんずん山の中へ。秘境ムード漂う中、巨大な白い岩肌が目の前に聳え立ちます。まるで群馬県の妙義山のようですが、妙義山は凝灰岩、こちらは石灰岩とのこと。さらにそのスケールは妙義山をはるかに越えています。

 まずカオラックではバンブーラフティングに挑戦です。ごくごく原始的な竹の筏で、皮下りです。一般ボートと違い竹ですので、足元やお尻が浸水します。水着着用がよろしいかと。周辺は濃密な緑、頭上の木の枝では蛇さんがお昼寝中。水音や風が心地よく、冷たい川の流れが気持ちいいのですが、容赦なく太陽が照りつけて肌がジリジリです。

 

 今回はさらにもう1ヶ所でバンブーラフティングを楽しみました。こちらでは川下りの途中でこうもり洞窟と呼ばれる鍾乳洞でコーヒーブレイク。スタッフの方がお湯を沸かし、手づくりの竹コップでサーブしてくれます。コーヒーはインスタントなのですが、お湯にハーブを入れるので独特の爽やかな香りのコーヒーで、しばし休憩です。


バンブーラフティング1IMG_5583_1.JPG こうもり洞窟IMG_5617.JPG コーヒー2IMG_5624.JPG

バンブーラフティング

こうもり洞窟

コーヒーブレイク

 カオソックではソック湖へ向かいます。この湖は1984年から3年がかりで造られたダム湖で、湖の下にはなんと900の村が沈んでいるそうです。ロングテールボートでまずは湖を周遊。静かな湖面と石灰岩の山々がまるで中国の景勝地・桂林のようです。ボートのエンジンを止めると静寂が満ちます。


ソック湖IMG_5645.JPG ソック湖IMG_5651.JPG 水上レストランIMG_5660.JPG

ソック湖

船頭さんポーズ

船着場到着

 さてボートは湖の一角に到着。船着場を囲んで水上コテージと水上レストランなどが並んでいます。シンプルな水上コテージはオーストラリアや欧米人に人気で、ビーチとは違うタイの滞在を楽しんでいるようです。湖水浴、釣り、昼寝、読書・・・・・・野生の猿も発見です。レストランではこれまたシンプルな魚料理など。スタッフはパイレーツな感じです。

水上コテージ2IMG_5664.JPG レストラン料理IMG_5668.JPG スタッフIMG_5670.JPG

水上コテージ

豪快な魚料理

パイレーツなスタッフ

 

 次に向かったのはタクアパにあるリトル・アマゾンです。密林のタクアパ川流域をボートで進みます。ニパ椰子やマングローブなどが生い茂る水路は熱帯を感じます。本来は河口まで約2時間のクルーズとなるそうですが、今回は途中で迂回。ちょっと残念でした。

 ところでカオラックは2004年のスマトラ沖地震の大津波で甚大な被害を被ったところです。リトル・アマゾンも津波のあとに、新しい観光施設として開設したものです。カオラックのカマラビーチには現地の日本人会や日本企業などによる津波慰霊碑が建てられています。カオラックは現在、津波被害を乗り越えて高級リゾート地として再興が図られて、そのエネルギッシュな様子に、私たち日本人も励まされる思いがしました。


リトルアマゾンIMG_5672.JPG 蛇IMG_5681.JPG 慰霊碑IMG_5585.JPG

リトル・アマゾン

蛇がお昼寝中

津波慰霊碑

【おまけ】

 大阪発祥の織物「さをり織り」をご存知でしょうか? 

さをり織りは1968年、城みさをさんが自作の手織機で始めたもので、型がなく自由な感性で織り上げていくものです。カオラックのバンムアン村にはこの、さをり(SAORI)織りの工房があります。タイ在住の日本人住職アーチャン光男ガベサコー師が津波被災地で、機を織ることで心のケアができ、織物で被災者が自立することができればと、導入しました。そして日本政府などからの支援を受けて研修センターが建設され、現在はこの地を代表するハンドクラフトとなっているのです。この研修センターの工房は津波の際には避難所になったところだそうです。工房では多くの女性が丁寧に機を織り、ショールやバッグ、ポーチなどさまざまに仕上げられていきます。豊かな色彩と温もりのある製品は併設のショップで購入できます。

さをり織りIMG_5685.JPG さをり織り2IMG_5683.JPG

 

(取材・執筆 関屋 淳子)

 

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