2012年1月14日(土)
震災から10ヶ月あまり。いつもメッセージをいただいている山田りつ子さんから
新たなメッセージが届きました。何か力になりたい、でも何もできない。それでも
被災した方に心を寄せることが大切だと思っています。東北へ出かける、観光をするという
ことも素敵な応援です。以下、お読みください。
早いもので、東日本が大揺れに揺れたあの震災から10ヶ月経ちました。
新年が穏やかに明けても、被災した人たちの心の傷は癒えません。
10ヶ月経っても未だに震災発生当時のようです。
玄侑宗久さんの「福島に生きる」を読んだら、昨年3月当時のあれこれを思い出して涙が出てきました。
雪が降るほど寒いのに灯油も買えず、ガソリンスタンドには行列ができ、外も自由に歩けず、家でじっとしていて体が痛くなったのを覚えてます。
福島は、いくら原発事故が収束したと言われても、誰が納得するでしょうか?
12月の寒風吹きすさぶ中、通学路の除染作業が黙々と続けられていました。
道路脇の草を刈り、高圧洗浄機で泥を掻き出していくのです。
日曜日ごとに順番で各地域の人たちが総出で作業をしていました。
こんなことがまだ続いているのに収束なんて言ってほしくないです。
大晦日の紅白歌合戦に西田敏行さんや猪苗代湖ズが出場すると聞いてとても楽しみにしていました。
「ふくしま!」と叫ぶ声に涙が出るのはそれだけあの原発事故で傷ついているからでしょうね。
以下はネットで見つけたニュースです。
(NHKの元スポーツキャスターで、参議院選に自民党から出馬した経験のある東海由紀子さん(42)のツイッターが正月早々に「炎上」した。大晦日のNHK「紅白歌合戦」に出場した「猪苗代湖ズ」を、「震災口実にしたオヤジバンド」などと酷評したためらしい。
東海さんは「猪苗代湖ズ」が歌い終わった2011年12月31日の午後9時頃に、「猪苗代湖ズって何なの?震災口実にしたオヤジバンドの域を出ていない」と呟いた。バンドについて、震災後の福島を元気づけるために活動してきた一流のミュージシャンの集まりだ、とフォロアーが説明すると、「ただうるさかったです」「一人一人は一流かもしれませんが、やたらうるさくて音楽性感じませんでした」)
私は東海さんという方を知らないし、テレビで見たバンドの演奏について誰がどんな感想を持とうと、それは自由だと思います。しかし、ブログやツイッターというのは、全世界に向けて大声で叫んでいるのと同じだということを、もう少し考えてもらいたいものだと思いました。
紅白の猪苗代湖ズは、確かに「力入りすぎじゃない?」と、私も思いました。
でも、全国放送で、しかもブラジルでも放送されている紅白歌合戦での演奏だと思うと、力入るのは当然でしょう。今、東北の被災地は寒さと不安と心細さでいっぱいの人たちで溢れています。
みんな心が傷ついているんです。福島から来たというだけでいじめられた子供。
福島ナンバーはおことわりとスタンドで言われた人。ドイツに住む友人の子供は「もう福島はおしまいだ」といじめられたそうです。福島に住むひとりとして、「がんばって」と言われるよりも「福島が好き」と言われるほうがどんなにうれしいか!
「がんばれ」とか「がんばろう」という人にはどうやってがんばったらいいのか教えてほしいですよ。
少なくとも国政に参加しようという人は、国民の痛みを自分のことのように感じようという志のある人だと思っていましたが、そうではないのだということですね。今の国会を見れば分かります。
西田さんや猪苗代湖ズの歌に、福島県民はどんなに励まされたか。どんなに力づけられたか。
福島にいなくても福島のことを思ってるよというメッセージがどれほどうれしいか。
心が傷ついてつらいとき、なによりうれしいのは「あなたはひとりじゃない」「わたしがそばにいるよ」という温かいひとことです。
なにもできなくてもいい。「ふくしまがすき」と、ひとこと言ってください。
岩手や宮城の人にも「すきだよ。応援してるよ」と言ってください。
余裕があれば出かけてきてお土産を買ってください。
国会議員の人たち、一度仮設住宅に住んでみてください。
朝は部屋の中でも氷点下になりますよ。信じられますか?
福島の被災者の多くは沿岸部の温暖なところから、会津や中央部の寒い地域に避難しています。
どれだけ大変か、想像してみてください。
思いやりの心って結局は想像力がないと持てないものじゃないかと思いますね。
想像力があれば、ツイッターで「ふくしまがすき」と歌っている人たちを批判することなんてしないでしょう。
おやじバンドだってなんだっていいんです。被災した人を励まそうという気持ちが尊いと思います。
うちでもポケットガイガーカウンターを買いました。メイドイン石巻です。
放射線の数値は現在、家の中でだいたい0.2μS/h前後ですね。
いったいいつまでこんなことを心配しなくちゃいけないのか・・・。
何年たっても復興なんて夢のまた夢なんでしょうか。