ダイナミック!ボリショイ

 

2012.2.2(木) 晴れ

 

1月はあっという間に終わり、もう2月です。きっと今月も29日までしかないので、すぐに終わってしまうのでしょうね。ということで、忙しいということを言いたいだけのアプローチですが、本当はブログ書いている場合ではないんですが(担当編集さん、ごめんなさい)。「関屋〜原稿書け〜」と後から刺されそうですが、今日は書かせていただきます。だって、今日のバレエ、すんごかったんです!(「お前、バレエなんか見ている場合じゃないだろう〜」って、後から膝蹴りくらいそうですが)

 

なんといっても、ボリショイのボリショイらしい、ボリショインのためにある演目。それが「スパルタクス」です。今日が東京公演最終日なので、ちょっと詳しく書いてもいいかしらん。今回のボリショイの公演は、ノーブルダンサー、セルゲイ・フィーリンが芸術監督になって初の来日、しかも昨年10月に本場の劇場が6年の改修工事を終えて、素晴らしい劇場に生まれ変わり、さらにさらに、日本人ダンサーの岩田守弘さんの引退表明ということもあり、なにかと話題に上っています。で、岩田さん出演の『白鳥の湖』は早々にソルドアウト。でも私はスパルタクスがどうしても見たかったのです! たぶん10年前くらいかと、ボリショイがスパルタクスを引っさげて来日公演をしたときにどうしても行かれなくて。。。そのときに見に行った知人から「これを見ないでどうする?」みたいな言葉をいただき、今回は満を持して。仕事をほっぽり投げて、当然です。

 

すみません、前置きがだいぶ長くなりました。バレエを見たあとでこんなに興奮するのは久しぶり!だって、バレエの躍動感。人が踊り飛び跳ねる。その躍動感が最高だったんです!

 

主演のイワン・ワシーリエフ、飛んでいる間の滞空時間の長いこと。さらにピルエット(回転)の長いこと長いこと。普通じゃない、おかしい。筋肉隆々の方なのですがそれを感じさせない体形、ってロシア人ダンサーっぽくって、素敵。また、男性ダンサーの群舞のレベルの高さ。これが日本人でできたら本当に素晴らしいと思います。はっきり言って振り付けはワンパターンな感じがしたのですが、それを上回る若々しさ、純粋にすごいと思わせる力。ストーリー以前の何かがありました(ストーリーもそれなりに考えさせられる悲劇ですが) 

 

女性陣もよかったですねえ。スパルタクスの妻役のスヴェトラーナ・ルンキナ。ひたむきな妻という姿よりも最後の、スパルタクスを神格化するときの迫力が、けっこう好きかも。もっと魅力的だったのは敵対するクラッススの愛人・エギナを演じたマリーヤ・アラシュ。こういう女の役って魅力的。男に復讐心を燃えさせ、敵の男どもをめろめろにして士気を削ぐ。いいですねえ〜、やっぱり悪女は光ります。クラッススを演じたアレクサンドル・ヴォルシコフも技術もスタイルも、ワシーリエフに劣らず素敵でした。

 

書くことが尽きないのですが、見に行ってよかった〜。感動というよりも、ひたすら興奮する舞台って久しぶりでした。こうゆう、わくわく感がバレエの本質かもって、なんだかバレエの魂に触れた感じがしました。

 

追記:ストーリー:ローマ帝国時代、市も涙もない執政官クラッススが諸国を制覇し、誇り高いスパルタクスもとらわれて奴隷にされてしまう。スパルタクスは仲間を集い反乱。クラッススの館を包囲し、捉えるが、スパルタクスはクラッススを処刑しなかった。復讐心に燃えるクラッススと、愛人エギナは剣奴たちを誘惑し裏切りに誘導し、逆にスパルタクスを血祭りにあげてしまう。フリーギアは勇敢で自由を求めたスパルタクスを英雄として称え嘆き悲しむ。

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