建物入口にあるワンコの足湯。お散歩帰りにも
伊豆長岡の老舗旅館「八の坊」が、ワンコ宿へと大きく舵を切ったのは2021年7月のこと。「それまで20年間、ずっとペットOKの宿としてやってきました。一方で宴会中心の団体さんもたくさんいらっしゃいました。私が5代目として温泉宿を引き継ぐことになった時、自分自身も幸せを感じられる宿にしたいと考えたんです」と若旦那の望月さんは言います。
望月さんご一家は代々のワンコ好き。20年前、ペットOKの宿を始めたのも、犬好きの先代が「犬も家族だから一緒に旅ができるように」と考えたため。5代目はそんな思いを引き継ぎ、ワンコがより快適に過ごせるようにと、犬の足湯を設けたり、こだわりのペットフードを用意したりと工夫をこらしています。
家具や壁紙、ソファの生地もワンちゃん仕様の 511号室
中でも昨年リニューアルした3室は大型犬も泊まれる特別な客室。ワンコ連れから絶大な人気を誇っており、連日満室が続いています。最上級の511号室を見せていただきました。源氏山を臨む明るい部屋で、115平米という面積以上に広々とした感じがします。室内にはほぼ段差がなく、フロアも滑りにくい仕様。犬専用の温泉があるテラスも設けられています。走り回っても大丈夫な空間が確保されており、人もワンコもストレスなく過ごせそうです。「八の坊」のゲストの8割以上はワンコ連れ。スタッフさんも犬好きさんが多く、館内はなごやかな雰囲気です。リピーターも次第に増えており、この1年で5000匹のワンコが泊まりに来たとのこと。その恩返しの意味もあり、売店で販売されているオリジナルの犬浴衣などの収益を保護犬への寄付に充てているのだそうです。
通常客室の夕食一部。スタッフさんが極力部屋に入らないスタイルでの部屋食.
「八の坊」は元々、料理ともてなしのが評判の宿でした。朝の平飼いの卵焼きは、「これを食べたくて」泊まりに来る人がいるほどの美味しさ。ワンコ連れでなくても居心地良く過ごせる宿ですが、そこに動物へのやさしい眼差しが加わったことで、もてなしにさらに磨きがかかっているように思われます。
八の坊オリジナル浴衣をまとった看板犬モニョさん
ちなみにお宿にも看板犬のモニョさん(14才)がおり、ほぼ毎日出勤しているのだそうです。会いたい人はひと声かけてみてくださいね。
電話:055-948-1301
住所:静岡県伊豆の国市長岡1056-1
HP https://hachinobo.com/