2012年7月19日(木)
このブログの更新もままならず、バタバタしております。夏本番の雰囲気が
満ちてきましたね。福島県三春町の山田りつ子さんから、1年4ヵ月後のメッセージが
届きました。1年以上経って分かったこと、そして、私たちがもう一度自分の行動を
見つめなおさなければいけない、そんな時期なのかもしれません。
どうぞお読みください。
九州地方の大雨は甚大な被害をもたらし、本当に日本は自然災害の多いところなんだなあと改めて思い知らされます。堤防の決壊などで家並みが浸水した様子を見ると、まるで震災の時の津波の被害のようで、去年の3月のことがありありと思い出されます。
石巻のがれき受け入れでは反対運動がものすごかったようです。福島のがれきならともかく、どうして石巻のがれきがそんなに問題になるのか理解に苦しみます。もし石巻でなく常陸太田のごみだったら受け入れてくれますか?石巻と常陸太田は福島原発から距離的に同じくらいです。同じ東北の被災地のがれきだから放射能問題が起きるのはありませんか?
日本は被爆国でもあり、放射能を恐れる気持ちはよくわかります。私も福島に住んでいながら、原発が事故を起こすことなど考えもしませんでした。朝日新聞連載の「プロメテウスの罠」では現在、事故が起きた当時の三春町の混乱の様子が描かれています。原発から真西に45キロほど離れた三春町では去年3月15日に国や県の指示を待たずに安定ヨウ素剤を40歳未満の町民全員に配りました。あとから、支持もなくやったと批難もされました。しかし町は、政府が公表しなかった放射能拡散予測をSPEEDIに頼らずに手に入れ、町民を守るために配ったのです。
1年以上経ってわかったことがたくさんあります。事故当時は正しいデータの公表がなかっただけで、福島ナンバーの車の入店拒否や福島から避難した人がいじめられたりと、ものすごい福島差別ともいうべき現象が起きました。今でも福島産の野菜や果物はかわいそうなくらい安値で取引されています。SPEEDIのデータがもっと早く公表されていれば無用の被曝をしないですんだ人がたくさんいるのです。
事故後の放射能の拡散が徐々に明らかになると、県内でも放射線の数値は原発からの距離とはあまり関係ないことが分かってきました。大事なことは正しいデータと正しい知識、正しい対処の仕方ではないでしょうか?
「東北のがれきだから放射能が問題だ」ではなく、どこのものでもがれきは全部調べて、問題がなければ受け入れるというふうにはなりませんか?
社会的に肩書きのある人が、パンダの赤ちゃんが死んだのも原発事故の放射能のせいだとツイッターで広めているという話を聞きました。これこそ風評被害です。なんでもかんでも放射能のせいですか?きちんと正しいデータを示して言っててほしいものです。
人間は自分がよく知らないことには不安を抱くものです。だからこそ冷静になりましょう。人の言った言葉を鵜呑みにしないでよく考えてください。あなたの考えは、行動は正しいですか?