はじめて旅する土地でファインダイニングに行くなら、なるべく旅の始めに計画すること。わたしの文章をあちこちで読んでくださっている方は、もう耳にタコかもしれませんが、その土地の最高峰のレストランを、旅の記念として最終日に予約する人が未だに多いんですよね。
(蒲江のイセエビ 奄美大島のアマダイ トリュフ ビーツ)
おさらいですが、ファインダイニングとは、その土地の気候風土や文化風習を、食を通じて俯瞰的に知ることができる場所。つまりはじめての旅先を五感を通じて体感的に理解するのにうってつけなんです。しかもたった2、3時間で。
(「アトリエ」ヘッドシェフ・工藤賢二さん)
というわけで別府に到着後、真っ先に「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」の21席しかない劇場型ダイニング「アトリエ」を訪れました。「大分は世界に誇れる高品質な食材の宝庫」と言うのは、ヘッドシェフの工藤賢二さん。北は全国的に超有名な関アジや関サバ、クルマエビなどが揚がる国東や姫島、南は蒲江のイセエビなどで知られる佐伯、と魚介類に恵まれているうえ、内陸の湯布院では質のいい水を生かしてサーモンを養殖したり、クラフトビールまでつくったりしているとか。「もちろん野菜やフルーツも栽培されているし、豊後牛の中の最高品質とされるおおいた和牛もうまいですよ」
(湯布院のサーモンといくら 国東のワタリガニ 大分みかん)
(大分のうなぎ 大根 フォアグラ 紫蘇のソース)
工藤さんはカナダのバンクーバーやアメリカのサンフランシスコ(どちらも北米の美食都市ですよね!)で経験を積んだキャリアの持ち主。フランスやイタリアなどヨーロッパで修行したシェフとはまた異なるグローバルな感性で。ボーダーレスな料理をつくります。
(ヤマメ 肝ソース 佐伯のマリンレモンのドレッシング)
その土地の郷土料理やストリートフードもいいけれど、ファインダイニングと並列で経験すれば、その土地の魅力がより立体的に立ち上がる。別府に行ったら「アトリエ」へ。しつこいようですが、旅の始めにね。
Atelier(アトリエ)/ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ
https://anaicbeppu.com/dining/atelier/
公式サイトから予約できます
* 料理はすべて訪問時のもの。季節などにより変更されます