パリのシンボル、エッフェル塔
人生は旅に似ています。エンタテインメントは、その旅路に喜びと輝きをもたらす魔法!
今回、紹介するのは松竹ブロードウェイシネマ『パリのアメリカ人』。アメリカの映画史上に金字塔を打ち立てた『巴里のアメリカ人』(1951)のミュージカル舞台版です。舞台版『パリのアメリカ人』は、2015年のブロードウェイ公演において、トニー賞で振付賞、編曲賞、装置デザイン賞、照明デザイン賞の4部門を獲得しました。本作品は、本場ブロードウェイ・プロダクションのロンドン・ウェストエンド公演(2018)を特別にライヴ収録した作品です。
──人生という旅路に、本物の愛がある。
映画作品のキャッチコピーです。
舞台は、1945年のパリ。第二次世界大戦終戦の直後で、戦争の痕跡が残りながらも新しい時代に踏み出そうとする若者たちが描かれます。自由を得た戦後のパリの街は、徐々に輝くような活気を取り戻していきます。
ヒロインが働くパリの店、香水瓶が並ぶショーウィンドウ
舞台に登場するのは、カフェのある広場、凱旋門、セーヌ川、レビューやバレエの劇場。そして、フランス・パリのシンボルであるエッフェル塔が一際輝いて作品ポスターにモチーフで使われています。
本物の劇場を彷彿とさせる。実際のパリの街を思わせる舞台美術
芸術の世界で活躍することを夢みる仲間
主人公のジェリーは、アメリカ人の退役軍人で画家を目指しています。ピアノを弾きながら作曲家を志すアダムや、舞台に立つことを夢みる資産家の息子アンリと、友情で結ばれます。ジェリーは、バレリーナを目指すフランス人女性のリズと出会い、恋に落ちます。リズは、戦時中にユダヤ系である自分の素性を知りながら匿ってくれたアンリとの間で心が揺れ動きますが、新しく自由に生きることを選び、真実の愛に目覚めます。
バレリーナのリズと恋人ジェリー。官能的でロマンティックなダンス
秋のパリ。セーヌ川沿いで語らう恋人たち
どん底から這い上がる人間の力強さ、ダンスと音楽のエンタテインメントの力で希望を呼び起こす様子、愛や絆といった繋がりを求める人生の在り方は、観客にも一歩踏み出す勇気を与えてくれます。
そして、舞台収録のリアルな鳴り止まない拍手喝采が、心にグッときます。海外に足を運ぶ事はなかなか難しい状況ですが、本場ブロードウェイや現地の舞台を映画館で体感し、ニューヨーク・ブロードウェイ、ロンドン・ウェストエンド、作品の背景となったフランス・パリを、いつか安全に旅で往来できるようになるその時に、訪れてみてはいかがでしょう。
2021年10月15日(金)より全国順次限定公開中
『パリのアメリカ人』 An American in Paris
日本映画史上初、ブロードウェイの舞台を松竹が映画館で上映!
松竹ブロードウェイシネマ公式ホームページ https://broadwaycinema.jp/
場面写真・ポスター ⒸAngela Sterling