沈下橋をご存知ですか?
ウィキペディアでは「堤外地に設けられる橋、洪水時には橋面が水面下になる橋」と説明されていますが、そのシンプルな造りを初めて見た時は、自然の景観を邪魔しない厳かで質実剛健な感じが好きだなあと思った記憶があります。
有名なのが高知県四万十川にかかる沈下橋。15年ほど前に私もこの地で橋を渡ったことがあるのですが、欄干がないと視界も広がってかなりの爽快感があります。でも思わず両サイドに吸い込まれて落ちてしまいそうな感覚にも陥りました。
この沈下橋、かつては建設費用が抑えられて、水害による橋の破壊や洪水を防ぐための生活道路の一部として活用されていました。
今回のニホンノカタチは2014年に初めて訪れた三重県松阪市の香肌峡(かはだきょう)にかかる沈下橋。櫛田川にかかる沈下橋もまた大自然を引き立てて静かに佇んでいました。
偶然にも山間に虹がかかりました!
三重県松阪市といえば真っ先に頭に浮かぶのは松阪牛ですが、食豊かなこの町は、津市の南に位置し、伊勢湾から内陸に長く伸びて奈良県の吉野町とも隣接しています。
内陸側はかつては飯高町、飯南町として独立していましたが、2005年に松坂市に合併されました。林業が盛んで、鮎や椎茸、クレソンなどの産物も豊富、温泉や登山サイクリングコースとしても人気です。
そして賑やかな街中とは趣が異なる山間の渓谷は「香肌峡」と呼ばれています。
「香る肌の峡谷」だなんてなんとも色っぽいでしょう?
その名前の由来は「空気や水が綺麗で香り高く上質な産物に恵まれている」ことからのようですが、山間に湧く香肌峡温泉の炭酸や鉄分を多く含む黄褐色の湯は、肌をも香らせる(⁉︎)美肌効果が期待できそうでした。
伊勢神宮から90分、かつては和歌山街道、参宮や巡礼の道として栄えた山間の眺めは、流れる櫛田川の上流部とその支流に沿って幾重も山々が続き、川にかかる黄色や赤色、緑色のカラフルな鉄橋も大自然のワンポイントになって、思わずシャッターを切りたくなる美しさ。
大自然に赤い鉄橋が映えます
沈下橋や鉄橋を眺めながら奥へ進むほどに、川の水の色は透明度を増します。1日の時間を追って刻々と色が変化して、まるで着色したような青みを帯びてエメラルドグリーンに輝くことも。
川辺の石灰質の白さが水の美しさを更に引き立てていました。
エメラルドグリーンに輝く水
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