天気のよい日を選んで、雲上の絶景ハイキングに出掛けませんか。今回ご案内するのは、長野県・八ケ岳連峰北部の名峰・北横岳。ロープウェイを利用して山頂直下までアクセスし、散策を楽しみます。秋は空気が澄み、展望ハイキングに適した季節。そろそろ紅葉も楽しみです。
赤と緑、鮮やかなボディカラーの北八ケ岳ロープウェイ
標高1771mの山麓駅から、約7分の空の旅で標高2237mの坪庭駅へ。標高を上げるにつれて山麓の森の広がり、遠方に見える山々の連なりにワクワクしてきます。坪庭駅に下り立つと、青々とした山が間近に連なり、思ったよりも空が広いことに驚くでしょう。
ロープウェイ坪庭駅を出ると、かわいいオブジェがお出迎え
坪庭自然園を散策してみましょう。八ケ岳の噴火でできた溶岩台地で、ゴツゴツとした黒い岩が連なる中に背の低いハイマツが生育しています。まるで日本庭園のような趣です。散策路が整備され、1周30〜40分で周回することができます。散策路のところどころに展望ポイントがあり、目の前に中央アルプスや北アルプスの山々が連なる様子を眺められます。
坪庭は自然が造り出した日本庭園
散策をしていると、周りの山の斜面が緑と白の横縞模様になっていることに気付くでしょう。緑はシラビソなどの針葉樹、白は立ち枯れた木の幹。「縞枯現象」といい、北八ケ岳の山々で多く見られますが、なぜこのような現象が起こるのかは、未だに原因が分かっていないようです。
坪庭周辺やロープウェイの車窓からも眺められる縞枯現象
登山に慣れた方なら、ぜひ北横岳の山頂へ。ロープウェイ坪庭駅から北横岳へは、シラビソの樹林の中を歩いて、1時間半ほどの道のり。さえぎるもののない山頂からは八ケ岳の山々や、日本アルプスなどが一望に見渡せます。高低差もあり、岩や木の根が露出して歩きにくいところもあるため、登山専用の装備が必要です。
北横岳（南峰）から八ケ岳方面の眺め。天気に恵まれれば富士山も
ロープウェイで手軽にアクセスできますが、標高2000m以上の高所。10月ともなればだいぶ気温も下がります。薄手のダウンジャケットやウインドブレーカー、ウールの手袋などの防寒具をお持ちください。
下山後はロープウェイ山麓駅に立ち寄ってショッピングやグルメを楽しみましょう。売店は蓼科高原の特産品などお土産の種類が豊富です。レストランでは長野の食材を生かした手作り料理で山旅の締めくくりをどうぞ。
ヨーロッパのヒュッテを思わせるロープウェイ山麓駅
【北横岳データ】
アクセス：JR中央本線茅野駅からバス1時間、北八ケ岳ロープウェイ下車。
コース：ロープウェイ山頂駅…北横岳ヒュッテ…北横岳…坪庭自然園…ロープウェイ山頂駅
所要時間：約3時間
体力度★★☆ 技術度★★☆
※坪庭自然園散策のみの場合は体力度★☆☆／技術度★☆☆
