【古墳プロフィール】
名 称:五色塚古墳(ごしきづかこふん)
古墳の形:前方後円墳
時 代:4世紀後半
整備状況:復元整備され、墳丘に登ることができる
展示施設:併設の管理事務所でパンフレット配布、埴輪などの出土遺物を展示
U R L:https://goshikiduka.org/
絶景ビューが自慢の古墳は全国各地にありますが、私のイチ推しといえば、神戸市垂水区にある五色塚古墳です。瀬戸内海を臨み、白く輝く明石海峡大橋が延びるその先には、淡路島が横たわる雄大な景観。一般的に古墳は支配域を眼下に見下ろすような場所に築かれることが多いのですが、この五色塚古墳は海を見下ろすように築かれており、海との関係の深い人物が葬られていると考えられています。
後円部に復元された埴輪越しに、明石海峡大橋と淡路島を望みます。古代と現代が融合した、時空を超えた絶景は、願いを叶えてくれるパワースポットとしても知られています。
全長は194mあり、兵庫県下最大の前方後円墳です。三段築成の各段には鰭付円筒埴輪(ひれつきえんとうはにわ)や朝顔型埴輪(あさがおがたはにわ)が並び立てられ、その総数は2200本(!)と推定されています。また、下段の斜面には近隣の小石を、中・上段の斜面には淡路島産の大きな石が葺かれていました。現在は中・上段の葺石が復元整備されています。
今でこそ、こうして築造当時の姿に復元された古墳をよく見かけますが、発掘の成果を踏まえて昭和40年から整備された五色塚古墳は、全国最初の復元例でした。
前方部の復元には、築造当時の葺石が使われています。
1600年前の葺石がそのまま残っているなんて、それだけでも感動。
後円部は、築造当時の形に盛土をして、二和土(にわど)で覆って石を葺いています。
コンクリートは階段部分しか用いておらず、
こうした先駆的手法がその後の古墳復元に役立てられていったのです。
石と埴輪に守られた古墳は、他に人工物の無いなかで、陸からも海からも一際異彩を放って見えたことでしょう。後円部には竪穴式石室があるとされていますが未発掘のため、どんな人物が葬られていたのかは不明です。しかし、それだけに想像の膨らむ、ロマンあふれる古墳です。
後円部からは淡路島が目の前に見えます。こんな爽快な場所を終の住処にした被葬者は、きっと明るく爽やかな海の男だったのでは…。皆さんはどう思いますか?
現地にある古墳管理事務所では、
出土した埴輪や近隣の遺跡の説明などが展示されています。
★アケスケ・チェック★
最寄りのJR山陽本線垂水駅周辺には飲食店やコンビニエンスストアが多数あり、駅前から古墳までは案内表示もあります。古墳にはベンチなどはありませんが、シートを広げてのピクニックは可能です。墳活初心者でも安心して訪ねられる古墳です。