紅葉の時期が終わり、低山も冬枯れの季節になりました。よく晴れた日を選んで、きんと冷えた心地よい空気の中、低山歩きに出掛けませんか。この時期は「富士見の山」がおすすめです。頭に白く雪をかぶった富士山に会いにいきましょう。
多くの人で賑わう金時山の山頂。この日は雲がうっすらかかっていた
美しい富士山の姿を間近に眺められ、山歩きの「達成感」も味わえる山として、私がこの時期に歩きたいのは箱根・金時山です。富士山の展望台として、ハイカーにも人気の高い山。金太郎伝説で知られる山でもあり、山中には「金時宿り石」「金時手鞠石」などの名所があり、さらに金太郎のモデルである武将・坂田公時をまつる公時神社もあります。
坂田公時をまつる公時神社。境内に巨大なまさかりもある
山頂に向かう登山ルートはいくつかあり、一番よく登られているのは仙石原の公時神社から山頂を目指すルートでしょうか。しかし「富士見」をテーマに歩くなら、私のおすすめは断然御殿場側、乙女峠バス停からの山歩きです。
乙女峠バス停からの眺め。富士山が近い!
まずバスを降りたら富士山がドカンと眺められます。登山道を登って1時間弱、標高1008mの乙女峠の展望台からの富士山も素敵です。ここまで登ってくると、今度は箱根の山々が見渡せます。箱根外輪山や、真っ白い噴気を上げている大涌谷が一望のもと。さらに標高を上げていくと徐々に芦ノ湖も見えてきます。歩くにつれて見える景色が変わっていくのがこのルートのよさです。
左)山頂付近から眺める箱根の山々。大涌谷も芦ノ湖も一望のもと
(右)登り後半はやや険しい。細い道、岩場もあり
登山口から山頂まではゆっくり歩いて約2時間ほどの道のり。後半はちょっとした岩場もあります。頑張って登り切った山頂から眺める富士山は「雄大」のひとこと。左右に裾野を広げています。クリアに見えているときも、うっすら雲がたなびいているときも魅力的です。撮影用のまさかりを持って記念撮影をお忘れなく。
見える山を確認するのも楽しみ。富士山の右手には南アルプスの山々も
山頂には2軒の茶店。金時茶屋と金太郎茶屋が建つ
山頂の茶店で一息ついたら、下山は仙石原、公時神社方面へ。最後は公時神社でお参りをしていきましょう。箱根は関東有数の温泉リゾート。温泉の日帰り入浴施設があちこちにありますし、日帰り入浴ができる宿もあります。楽しい山旅を温泉で締めくくるのもいいものです。
【金時山データ】
アクセス:箱根登山鉄道箱根湯本駅から御殿場方面行きバス40分、乙女峠下車。
コース:乙女峠バス停…乙女峠…長尾山…金時山…公時神社 所要時間約3時間
体力度★★☆ 技術度★★☆