8月中旬に米沢へ行ってきました。米沢牛を満喫したいと思って選んだ「時の宿 すみれ」の滞在報告です。
この宿の特徴は、まず、米沢牛の創作懐石料理が味わえること。大正12年創業という米沢牛の指定販売店「黄木(おおき)」が営む宿だから、そのおいしさには定評があります。次に、2人専用の宿ということで、大人の隠れ家にはぴったり。私が宿泊した時はご夫婦か、女性の友人同士という方ばかりでした。
米沢市街から車で約15分、だんだんと家並みが少なくなって、周りは田んぼばかり。「これで道は合っているのかな?」と不安になってきますが、ところどころに宿の道案内の看板が立っていて、無事到着できました。
スタッフの出迎えを受けて、ロビーでチェックインして、抹茶をいただきます。ロビーの前にはウッドデッキのテラス席があり、その向こうには夏の陽射しを浴びた緑の芝生が広がっていて、とても気持ちの良い空間です。ロビーの一角には本棚が置かれ、好きな本を借りて、お部屋でのんびり読書を楽しめます。また、ライブラリーの横には酒蔵もあり、ワインや日本酒、焼酎などが並んでいます。夕食時に楽しむお酒を前もってじっくり選ぶことも。
今回滞在したのは、2階にある「みやま」というお部屋で"和風モダン風"となっていました。客室は全10室あり、"北欧風"や"茶室風"、"アジアンリゾート風"など、すべて設えが異なります。静かに滞在できるようにと、テレビや時計は置いてありません。
お風呂では、古い歴史をもつ単純泉の湯が源泉かけ流しで楽しめます。檜の香りがただよう「森と風の湯」と露天風呂の付いた「時と光の湯」の2つの大浴場(夕食時に男女入れ替わります)があるほか、うれしいことに貸切露天風呂も2つあります。せせらぎを聞きながら、お湯を独り占めしてリラックス! ときどき近くを走る東北本線の列車の音が響いてくるのも、旅心をくすぐります。貸切温泉は空いていれば自由に何度でも利用できるシステムです。
夕食は18〜19時の間、好きな時にダイニングルームの「すみれ庵」に向かいます。待ちきれない私は18時ぴったりに伺いました。オープンキッチンのカウンター席に案内されましたが、他に個室もあります。
米沢牛の創作懐石料理というだけあって、「しきんぼ」や「とも三角」など、あまり聞いたことのないお肉の部位がさまざまなお料理となって目の前に運ばれてきます。盛り付けも色鮮やかで、和洋中と取り交ぜたお料理は、目も舌も楽しませていただきました。そして、メインとなるのはもちろん米沢牛の肉料理! ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶから選び、予約時に伝えておきます。オープンキッチンのおかげで、料理と料理の間もシェフの動きを追って、「次は何かな?」と待つ時間も飽きることがありませんでした。今回、私はサーロインのステーキをいただいたのですが、シェフが焼く前にお肉を見せてくださり、「写真をどうぞ」とシェフの方から言って下さるなど、本当においしくて楽しい時間を過ごせました。
参考までに今回のメニュー(現在はすでに秋のメニューになっています)
すみれの米沢牛懐石 2010夏
○しま腸と夏野菜のトリッパ
とうもろこしと人参のピューレコンソメジュレ添え・・・とうもろこしの甘みがたまりません!(写真参照)
○しきんぼの冷しゃぶ風 油淋ソースで
○千本のポッシェ入りの枝豆と生湯葉すり流し
○ランプのロースト 香草の香りと共に・・・(写真参照)
○お口直しのグラニテ パインとライム
○大とろのにぎりと外もも肉の軍かん巻・・・(写真参照)
○とも三角のすみれ漬焼き・・・すみれ漬は味噌と酒粕に漬けた「黄木」伝統の味
○小内ももの湯引きとサラダかぶの梅酢和え
○サーロインのステーキ・・・メインです!タレ、ワサビ、3種の塩が用意されますが、そのまま味わってもおいしい(^^)(写真参照)
○すみれの冷汁
○肩三角切り落としの夏バテしないお茶漬・・・牛骨だしと和風だしを合せたスープがやさしい味わいで、もうお腹いっぱいなのに不思議にスイスイと食べらます(写真参照)
○杏仁のブラマンジェと赤モモとミントのソルベ
たった1泊だったのですが、本当においしい食事と、気持ちのよい温泉を何度も楽しむことができ、大満足の滞在となりました。また、季節をかえて出かけたいと思います。
●1泊1万9050円〜(税込、サービス料込、入湯税込 ※1室2名利用の1名料金)
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時の宿
すみれはコチラ
(取材・執筆 山本 厚子)