いよいよ都道府県をまたいでの旅が解禁されました。さあ、どこへ行こうと盛り上がり気持ちと、もう少し自粛しようかしらと迷う気持ちがいったりきたり。わくわくする次の旅への想いを心に貯めて、あたためておく「旅心貯金」。もう少し貯金してもいいし、パッと使ってしまってもいい。旅恋厳選、旅心を誘う記事をお届けします!#旅心貯金 #旅恋
国内外の美味を求めて旅するフードライター・江藤詩文さんがご紹介します。
第21回 心身を癒すテロワール「命草(ぬちぐさ)」を味わう竹富島(沖縄県)
突然ですが、わたし恋しちゃいました。沖縄県の離島・竹富島で。
島野菜たっぷりの優雅な朝食
片思いの相手は大政司(おお・まさし)さん。島にたった一軒だけ存在するラグジュアリーリゾート「星のや竹富島」で、島野菜や、古来薬草としても用いられてきた「命草(ぬちぐさ)」と呼ばれる植物の栽培を指導している長老(顧問)です。
島テロワールがコンセプトの美しくモダンな料理
食後のハーブティもこの大盤振る舞いぶり
この道ン十年の大さんは、瞬時に食べごろの島バナナを見極めては鉈を振って枝から切り落とし、海にじゃぶじゃぶ入っては旬のあおさ(海藻の一種)を採集する。自然と共に生きる力に溢れていて、どこにいても自力でおいしい食べものを取って来てくれる男っていいですよね…。
もずくにミーバイ、地元の食材をカジュアルにも楽しめる
「星のや竹富島」の敷地内では、島に息づく伝統野菜やフルーツ、ハーブ類を、大さんたち長老の指導を受けながら専属スタッフが栽培しています。冬でも温暖な気候のおかげで、一年中さまざまな植物の恵みがもたらされるのです。
ガーデンで手摘みしたハーブをブレンドして精油を抽出
ゆったりした島時間の流れるスパでトリートメントを満喫
それらはゲストをもてなす料理にふんだんに使われるのはもちろん、精油を抽出するアクティビティが行わたり、スパのトリートメントに活用されたり。もう、ありとあらゆるところで「命草(ぬちぐさ)」の恩恵を全身に受けていると感じられます。
竹富島はねこの島としても有名なのです。また会いたいな
民間の伝承医療としても使われてきた「命草(ぬちぐさ)」。いま、いまこそそのパワーを!と渇望したくもなる、コロナ疲れが溜まった今日このごろですが。小さな島に都市の旅行者がどっと押し寄せることも考えものなので、島に呼んでもらえる日が来ることを、楽しみに待ちたいと思います。
取材・文/江藤詩文