「旭川家具」をご存知でしょうか。旭川家具は一企業のブランドではなく、旭川市と近郊の東川町、東神楽町などに存在するメーカーが製造する家具を総称するブランド名です。北海道の豊かな森林資源を生かした家具作りが行われている旭川は、静岡家具、飛騨家具、徳島家具、府中家具(広島)、大川家具(福岡)とともに有数の産地といわれています。
旭川家具の始まりは、今から120余年前、明治23年(1890)に木挽場ができ、明治末期に陸軍第七師団が設置され、軍都として本格的なまちづくりが始まったことによります。全国から家具建具職人が移住し、旭川で家や生活具をつくれるようになっていったといいます。深く豊かな森林に囲まれ、良質な資源に事欠かない旭川では昭和24年(1949)に旭川家具事業協同組合(現在の旭川家具工業協同組合)が設立。昭和30年(1955)には旭川家具産地展(現在の「ASAHIKAWA DESIGN WEEK」)が始まり、広く知られるようになりました。
平成2年(1990)から始まったトリエンナーレ「国際家具デザインフェア旭川」では、世界レベルのデザインコンペティションを実施、世界の木製家具デザインの登竜門となっています。また世界各地の国際家具見本市にも出品し、高い評価を得ています。
そんな旭川家具を一堂に会するのが「旭川デザインセンター」です。デザインテイストも造り方も異なる多彩な商品をゆったりしたスペースで楽しむことができます。建物は2フロアあり、らせん階段でつながれたお洒落なスペースに、30数社の旭川家具の新製品や人気シリーズが展示されています。実際に座り心地や木の質感、サイズ感を確かめて購入することができるほか、セミオーダーやフルオーダーも可能。こんな素敵なソファがあったら、こんなかわいいテーブルがあったら、などとあれこれ考えながら、旭川家具の魅力にどっぷりはまってしまいます。
例えば手仕事を大切にする「匠工芸」。社長の桑原義彦さんは技能五輪の国際大会で家具部門2位に輝いた実力者。インテリア小物などの企画・製造などを手掛ける「アッシュコンセプト」とのコラボの人気シリーズがよく知られています。
「マッシュルームスツール」は、キッチンやパウダールームなどでちょい掛けがコンセプト。スツールを重ねることもできるのです。
また「アニマルスツール」はもふもふのファーの座面と可愛いしっぽが特徴。思わず笑みがこぼれる一家に一匹は欲しいスツール!
また、イタリアで生まれた「arflex(アルフレックス)」。イタリアのモダンデザインを受け継ぐ人気のメーカーですが、旭川にソファ専用工場があり、10年保証のソファを製造しています。ゆったり足を延ばしてリラックスできるソファの寝心地(?)は抜群です。
家具だけではなく木のおもちゃやクラフト、小物などもあり、旭川のお土産品にもおすすめです。OMO7旭川でもクラフト商品や旭川家具の椅子が置かれています。→記事はこちら
旅先で見つける日本の高い技術に裏打ちされた歴史ある逸品。北の大地の森と木の息吹を感じる旭川家具に触れてみてはいかがでしょうか。
旭川デザインセンター
北海道旭川市永山2条10丁目1-35 旭川家具工業協同組合内
℡0166-48-4135 営業:9時~17時(年末年始・お盆休あり)
旭川駅から車で約15分。