塩見さんが北のグルメ王国・札幌の王道グルメ(→コチラ)をご紹介しましたが、私は南のグルメパラダイス・沖縄のローカルフードをご紹介します。
県民のソウルフード 沖縄そば
沖縄伝統の麺料理・沖縄そばは、「そば」と名付けられているものの、そば粉は入っていません。そのため、沖縄が本土復帰を果たした当初、そば粉を使用している本土の「そば」との混乱を避けるため、「沖縄そば」の名称を使用することが禁止されてしまいました。古くから使用している名を使いたいという地元の思いは根強く、名称復活の運動が起こり、昭和53年10月17日に校正取引委員会から「沖縄そば」の呼称認定を勝ち取りました。現在、10月17日は「沖縄そばの日」に指定されています。
そんな歴史を持つ沖縄そばは、小麦粉のみで作られます。麺を打つ際にかん水または灰汁を入れることから、製法上はラーメン寄り。麺が太く、コシがあるので、食感はうどん寄りです。出汁には主にカツオとトンコツが使用され、お店によっては昆布や鶏などを加えるところもあります。
年間15万食も食べられているという沖縄そば。なかでも沖縄本島北部に位置する本部町は、沖縄そばを扱う店が非常に多いことから、平成22年に「そばの町もとぶ」を宣言。町内を横切る県道84号線は、「そば街道」と呼ばれています。町内だけで70店あまりの沖縄そばを食べられる店があるので、はしごをしてみるのも楽しいかもしれません。
沖縄そばのトッピングに てびち
豚肉料理のひとつで、豚足をカツオ出汁や醤油、泡盛、砂糖などと一緒に煮込んだものです。下茹でした豚足を使うため、余計な脂が落ちるので見た目ほどカロリーは高くありません。豚の皮にはコラーゲンがたっぷり含まれていることから、美容にもいいと評判です。
沖縄そばのサイドメニューに ジューシー
雑炊が転訛したものが「ジューシー」。通常の雑炊のほか、沖縄風炊き込み御飯もジューシーと呼ばれます(ちなみに沖縄風炊き込みご飯は正式には「クファジューシー」と呼ぶそう)。炊き込みご飯の出汁に豚を使用するところが沖縄流です。具材には豚肉やシイタケ、ニンジンなどが使われます。
この味わい、意外とクセになる?! A&Wのルートビア
Roy AllenとFrank Wright。二人の創業者の頭文字を店名に冠したA&Wは、1919年にルートビアスタンドとしてアメリカで創業したファストフードチェーン店です。日本では沖縄県でのみ展開しており、1号店は1963年にオープン。現在県内に27の店舗があります。
A&W(愛称は「エンダー」)の看板メニュー・ルートビアは、アメリカでこそ飲料市場で3%のシェアを持っていますが、日本では馴染みが薄いソフトドリンク。看板メニューなら万人に受けるような当たり障りのない味を想像しますが、このルートビアは真逆で、賛否両論がまっ二つに分かれる味なのです。
ルートビアの原材料は、スパイスやハーブ、シロップなど。それらが交じり合った黒い炭酸の液体は、一見コーラのようにも見えます。
独特な香りをかぎながら、一口ごくり。なんだろう、形容しがたい味わいが口いっぱいに広がります。なんだろう、なんだろう、と考えることしばし。でピン!思いついたのが、「湿布の匂いに味が似ている!」ということでした。
一口二口目は「1杯全部飲みきれるかな」と思いましたが、飲み続けているうちに、「あれ意外といけるかも」に変わり、1杯のみ終えるころには「もっと飲める!」にルートビアへの印象が変化していました。
A&Wでは店内でルートビアを注文すると、なんとお替わり自由になります。ぜひ、試してみては?
(取材・文 川崎久子)