とある週末、道の駅よつくら港を訪れるとヤシの木が並ぶ芝生の広場で子どもたちが声をあげて駆け回り、物産のテントが並ぶなど、どうやらイベントが行われている模様。この道の駅はいわき市の北東部に位置する四倉町にあり、国道6号線沿いに立っています。すぐ近くに四倉漁港や四倉海水浴場があるという好立地で、2009年7月に道の駅として登録されました。
2011年3月11日、道の駅よつくら港は今のにぎわいから想像できない状況にありました。震災による津波で建物が全壊。甚大な被害を被った当初、復活は難しいのではと考えられていました。しかし、ボランティアが早々に集まり、5日余りで瓦礫を撤去。なんと震災から約1ヶ月後の4月16日から毎週末、炊き出しや販売イベントを行うなど、復興の拠点としての活動をいち早くはじめたのです。そして翌年の8月11日、リニューアルオープンを果たしました。
2階建ての細長い建物は、近年オープンしている道の駅と比較すると決して大きくはありません。その見た目とは裏腹に、1階にある直売所の充実ぶりには目を見張るものがあります。海のそばの道の駅ですから、水産加工品の種類が豊富なのはもちろん、採れたて野菜や手作りの工芸品など多彩な品ぞろえ。地元・いわき市だけでなく、同じ浜通りエリアの相双地域をはじめとした福島県内の選りすぐりの物産も並びます。
いわきの魚介類と聞いて有名なのが「メヒカリ」。唐揚げなど加工品もある
なかには「駅弁」ならぬ「道弁」・お弁当コーナーも。四倉はほっき貝が名物なのですが、醤油ベースのご飯と合わせた「ほっき飯」は人気の一品。歯ごたえのあるほっき貝は、噛めば噛むほど味わいが増し、食べ応えも十分です。
道弁「ほっき飯」
道の駅よつくら港では震災当時の状況について、入り口近くに設置された看板などに記しています。
また3月11日がめぐってきます。多くの方々の尽力があって、今のにぎわいがあるのだと感じずにはいられませんでした。