「山陰デスティネーションキャンペーン」とは、"古事記""まんが""山陰の食"をテーマに、島根県出雲市で開催中の『神話博しまね』と、鳥取県を会場とする『国際まんが博』などのイベント開催とともに、山陰の魅力を発見しようというもの。
実は山陰地方は、平成の大遷宮を来年迎える出雲大社とともに、須佐神社や八重垣神社などがパワースポットとして、最近特に若い女性に人気を集めているのです。そして関東から山陰地方へのアクセスにぴったりなのが、寝台列車「サンライズ出雲」なのです。
私自身、寝台列車に乗るのは数十年?ぶりのこと。いわゆる簡易なカーテンだけで仕切られた硬いベッドが2段になった古くて暗いイメージでした。それが、「サンライズ出雲」に足を一歩踏み入れた途端に、そのイメージが一新されました!
住宅メーカーのミサワホームと共同開発したという車内は、明るく上品で木のぬくもりをふんだんに感じさせる造り。あたたかみのある電球色の蛍光灯、ナチュラルカラーに揃えられた床やカーテン、ベッド生地も木目調の客室に落ち着きを与えてくれています。
右下:暗証番号式の鍵なので安心。ドアにはスコープも付いてます
指
定席扱いの「ノビノビ座席」を除けば、寝台はすべて個室で、シングルとツインの2種類。今回私が利用させてもらったのは個室「シングル」。狭さはそれほど
感じないのに、アラーム、照明、ヒーター、ラジオなど必要な機能が手に届く範囲にすべてコンパクトにまとまっているのには驚きです。でも、大きなキャリー
バッグを置くスペースはないので、荷物は少なめがいいかも?
デジタル時代に必須のコンセントもちゃんとあります。窓も大きく、上半身を起こしても天井は余裕の高さ!
シ
ングルの車両は2階建てになっていて、私が泊まった1階は、目の高さがちょうど電車のホームと同じくらい。2階はホームを見下ろすような感じです。ふだん
見られないような視線からホームを見上げるのはとっても新鮮!
残業帰りのビジネスマンを個室から見上げると、優越感を覚えたりして(笑) でも、カーテンを開けたまま寝てしまうと、翌朝の駅で寝顔を見られてしまう可
能性があるのでご注意を(笑)
個室「シングル」以外にも、広々とした客室内にデスクやイス、洗面台があるひとり用A寝台「シングルデラックス」、ベッドが2つ並んだ「サンライズツイン」、1人でも2人でも利用できる跳ね上げ式のベッドのある「シングルツイン」も
あります。特に女性グループにはツインの人気が高く、すぐに売り切れてしまうそう。そんな時でも女性グループは、ひとりひとり個室を取りつつも、誰かの個
室に集まってベッドをソファ代わりにみんなで過ごすグループが多いそうです。おしゃべり好きの女性はいろいろと楽しい工夫をしているんですね!
右下:ノビノビ座席(14列2段構成のフルフラットシート。個室料金が不要)
写真提供:JR西日本
写真提供:JR西日本
仕
事帰りの体をさっぱりさせたい時にはシャワー室があります。カード式で約6分間シャワーの利用がOK。A寝台は料金に含まれていて、それ以外の乗客は、車
掌さんが切符の検札に来た際に1枚310円で購入できます。6分間の途中でシャワーを止めることも可能なので、私自身も髪を体も洗うこともできましたよ。
ドライヤーがあるのもうれしいですね。使用後は次の方のために洗浄ボタンを押すことも忘れずに。洗顔や歯磨きはカーテン付きの洗面所で。
そして、10号車には大きく窓の取られたラウンジがあるので、買い込んだ夜食や朝食をココで食べてもいいかも。
夜
10時に東京駅を出発し、車内のあちこちを探検し、個室で電気を消して都会の夜景に目を奪われ、初めての寝台列車シャワーにチャレンジ(?)して、ラウン
ジでのんびりして、個室に戻ってベッドに寝ころびながら翌日からの観光を頭の中で考えていたらいつの間にか寝入ってました。翌朝、のどかな光景の中で目覚
め、朝食。そして、大山、中海、宍道湖を右手に電車が進むと、午前10時に終点出雲市に到着です。
「サンライズ出雲」は午前中に出雲に到着するので、到着日もまるまる観光に使えるのはとっても便利。 "せっかくだから、いつもとはちょっと違う旅をしたいよね〜"という若い女性同士の乗客の利用が多いのも納得です。あっという間の12時間の旅でした!
「サンライズ出雲」には食堂車や車内販売がないので、ガールズトークに必須のお菓子やドリンクの事前準備は忘れずに! 夜食まで食べきってしまった場合は、翌朝の食事は、6時27分から約7分間停車する岡山駅の売店でお弁当を買えますよ。