京都には深い井戸が幾つもある by 小林禎弘

第31回 はんなりとした花街・祇園で、爆音に浸るライブハウス(京都市)

祇園にありながら爆音に浸れるライブハウスがあります。

SilverWingsは、祇園交差点から東大路通を220m北へ上がった西側。私が通うきっかけは、知り合いのボーカリストAndyのライブです。疑問に思ったのは、1階スペースなのに、あの爆音は近所迷惑にならないのか⁈ということでした。

SILVERWINGS入口から八坂神社の森が見えます。向かいは知恩院の参道入口です

ステージのAndyです。豊富な声量とテクで高度なパフォーマンスを魅せます。絶対外しません

オーナーの平井淳一氏に話をお聞きしました。鳥取大学を卒業された平井さんは、地元京都のゼネコンで16年間現場監督をされますが、当時の公共工事への風当たりと上がらない給料にこの際と、思い切られたのが2008年です。社会人でオリジナルバンドのボーカルをしていて、定年後は小じんまりとしたライブバーをやりたいとおぼろげながら思っていたのが、急に現実になったのでした。

ライブ中は音響担当のオーナー平井さんです。

京都でやるなら祇園、ピアノを出し入れするL型の物件と探したところ、元タイ料理店だったこの場所に行きつきました。近所にあいさつに行かれたら、当然反対されたそうです。そこで役に立ったのが16年間の現場監督の知識と旧知の建築業者の協力でした。45㎝の壁や20㎝の中空などで箱の中に箱を作り、完璧な防音空間を完成させました。ですから場内は爆音の嵐でも、一歩出れば全く漏れてきません!

 上はカルメンマキ&OZのトリビュートバンド「腐猫」、
下はアコースティックバンド「ゆゑん」どちらもAndynoボーカルですが、音は別物です

ライブ中の場内 キャパシティーは50人

箱は完成しましたが、飲食、音響など全く分からない素人のまま2008年8月に見切り発車、何より売り方が分かりません。しかし平井さんの人柄で、ミクシー繋がりの専門の人が次々と現れて助けてくれ、何よりも出演者へのオファーを専門に行う初代ブッキングマネージャーが現れたことが大きかったそうです。

現在はオールジャンルですが、土日はハードロックやメタル、平日はアコースティック演奏が多いです。出演希望者はすべて音源審査等ののちオファーを受けて一晩に約4組の出演者が出演します。

 飲食を注文するバーカウンターで、ライブ入場受付もここです

何故か居心地がいいのは、出演者も客も40~50歳ぐらいの人が多いからのようです。もちろん若い人もいます。ライブ終了後は飲食代のみで、閉店の夜12時までライブハウスの雰囲気の中で飲めます。

Live Café&Bar SILVER WINGS
〒605-0064京都市東山区梅本町 270 プレステージ祇園1F
075-204-9966  http://www.limekoubou.com/ silver_w0822@me.com
チケット:前売り(¥2000~、当日¥2500~)1ドリンク¥600必要です。
ドリンク¥500~ オムライス¥700は好評です!

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