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「小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ」(百人一首26番)
貞信公が嵐山の北に位置する小倉山の紅葉を詠んだ歌です。
嵐山は、かつて貴族や豪族が別荘を構え、その美しさに魅せられた貴人によって多くの和歌が詠まれました。和歌の聖地ともいえる場所に、嵐山や百人一首にゆかりのある芸術や文化にふれられるミュージアム「嵯峨嵐山文華館」があります。
嵐山
「嵯峨嵐山文華館」は、百人一首をテーマとした博物館「時雨殿」を前身として、2018年に百人一首のみならず、日本美術を広く紹介する施設としてリニューアルオープンしました。
嵯峨嵐山文華館
1階の常設展では、藤原定家による小倉百人一首の誕生から、漫画や映画にもなった『ちはやふる』で人気に拍車がかかった競技かるたのルールにいたるまで、百人一首の歴史を丁寧にたどれます。たった数文字の中に、当時の世相や人々の生活、物哀しさや愛おしさ、情緒や郷愁を写し込む小倉百人一首の魅力にいつの間にか引き込まれていくことでしょう。
そして圧巻は2階の大広間「畳ギャラリー」です。広さはなんと120畳! こちらは靴を脱ぐスタイルとなっています。靴下で畳を歩きながら、時折畳に座ってじっくりと作品を眺めていると、いつもより静かに作品に向き合えるような気がします。この大広間では、名人・クイーンによる競技かるたの最高峰「ちはやふる小倉山杯」も開催されます。この静かな広間がさぞかし熱気に満ちた空間になることでしょう!
畳ギャラリー(過去展より)
また、1階には石庭を眺められる開放的なカフェ「嵐山OMOKAGEテラス」があります。お庭から直接入ることができ、カフェのみの利用もOKです。
カフェメニュー一例
一年を通して人気の嵐山ですが、桜や紅葉以外のシーズンは、このエリアは比較的静けさが保たれています。1月28日からは企画展「絵で知る百人一首と伊勢物語」が開催されます。以前ご紹介した福田美術館(嵯峨嵐山文華館から徒歩4分)とのお得な二館共通券もあるので、静寂に満ちた冬に訪れて、美術館のハシゴをしてはいかがでしょう。
(画像提供:嵯峨嵐山文華館 ※画像の転載・コピー禁止)
嵯峨嵐山文華館 https://www.samac.jp/
企画展「絵で知る百人一首と伊勢物語」
2023年1月28日(土)~4月9日(日)
前期:1月28日(土)~3月6日(月)/3月8日(水)~4月9日(日)
開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)休館:火曜日(但し、3/21は開館)