私の好きな町のひとつに、岐阜県の郡上八幡があります。
式には郡上市八幡町。戦国時代末期に造られた郡上八幡城の城下町のため、
郡上八幡という呼び名が一般的です。
町の中心を長良川の支流・吉田川が貫く水の都で、
町中に何筋も張り巡らされた水路からは清冽な瀬音が響きます。
これがなんとも心地いい。ほんとうにこの町を歩いているだけで癒される、
そんな町です。
夏は、夜通し踊る郡上踊りが著名ですし、
連歌師・宗祇が庵を結んだ地に湧く『宗祇水』などの見どころも豊富です。
ここで見つけたステキな店が、吉田川に臨む「リストランテ 雀の庵」です。
築80余年の趣ある民家を改装した店内は、
ゴージャスである反面、この町にしっとり溶け込む趣があり、
「ああ、いい店だなあ〜」と思わせる安らぎと風格があります。
席に落ち着き、メニューに目を通せば、清水が育む鮎をはじめ、
アマゴやアジメドジョウなどの豊富な土地の滋味がイタリア料理として供されるのです。
私はかねがね、イタリア料理と日本人の味覚はとても合うと思っていますので、
このメニューを見ただけで、わくわく。
日本の原風景ともいえる郡上八幡の心懐かしい場所で、
美味しい料理をいただく。こんな贅沢ができるのが旅の楽しみのひとつ。
想像を裏切らない料理の数々は、その食材といい、
この立地といい、ここでしか味わえないものばかりです。
なんといっても鮎のシーズンには、鮎がフリットやパスタで登場しますし、
肉に関しては、飼料に納豆を入れて育てた「なっとく豚」は、
噛み締めるほどに肉の旨みと甘みが広がるひと皿に仕上がっています。
おまけにこの店は、宿泊施設も用意していますので、
まるごと郡上八幡を楽しめるわけです。
夏にぜひ、再訪したいと思っている、私のとっておきの場所です。
詳しくは 雀の庵