あなたも「近代化遺産」萌え! by 関屋淳子

第28回 おかえりただいまありがとう、全線再開の只見線に乗ってきた! (福島県・新潟県)

福島県の会津若松駅と新潟県の小出駅を結ぶ全長約135㎞、豪雪地帯を走るJR只見線。その魅力は只見川や山々が織りなす圧倒的な風景です。只見線は2011年の東日本大震災のあと、追い打ちをかけるように同年7月に豪雨による被害で、土砂崩れや線路の崩壊、鉄橋の流出など甚大な被害を受けました。特に、会津川口駅と只見駅間はなかなか復旧作業が進まず、バスによる代行輸送が行なわれてきました。

会津川口駅で美しい虹をパチリ

只見線の全線復旧は沿線の方々の強い思いにより、2022101日、11年ぶりに運行再開となりました。今回乗り込んだのは、福島県側の会津若松駅と只見駅を往復する「只見線満喫号」。山々が色づき始める爽やかな鉄道旅をご紹介します。

会津若松駅を出発する「只見線満喫号」

駅員の皆さんに送られながら、会津若松駅を出発。町なかを走り抜け、会津坂本駅を過ぎると、いよいよ只見川沿いを列車は走ります。右に左に美しい渓谷が続きます。

そして、会津桧原駅を過ぎると、第一只見川橋梁へ。ビューポイントでは減速し、景色を堪能。

第一只見川橋梁から色づき始めた紅葉を楽しむ

第一只見川橋梁の全景(冬へ向かうイメージph)

周辺のダムや橋を見ながらさらに進みます。

 

会津川口駅と只見駅の間に進みます。第五・第六・第七の橋梁が流出したあたり、本当に懸命な復旧作業が行なわれたのだなと実感。

復旧した第七只見川橋梁

 

只見線は、ライフラインとしての重要性やその機能美、四季折々の風景を生み出す貴重な鉄道施設群ということで、土木学会により推奨土木遺産に認定されています。昭和17年(1942)から始まる只見線開通の歴史は、戦時中の凍結などを経て昭和46年(1971)までの時間を要しました。急峻な山間を縫うように走る只見線には、多様な橋梁が架かり、絶景の撮影スポットが多々! それぞれの橋梁やトンネルを詳細に語りたいところですが、今回は車窓の風景のみで。

只見駅ではこんな出迎えも

そして何とも嬉しかったのが、沿線の方々との心のふれあい。列車が通るたび、皆さんが笑顔で手を振ってくださいます。大きく手を振り、振り返し、全線再開を心待ちにしていた地元の方々の熱い心が伝わります。おかえりただいまありがとう! ぜひ多くの方に乗って楽しんでいただきたい路線です。

 

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