2017年10月3日〜5日マドリードと恋に落ちる旅 ~vol.3 観光編~

マドリードといえばプラド美術館に代表されるように芸術的な街の一面もあるほか、王宮や緑豊かなレディーロ公園など、観光の見所が揃っています。もちろん他にも、マドリッドならではのポイントがたくさん。第一回目のグルメ編第二回目のショッピング編に続き、今回は、視線を変えた見所をリポートします。

 

レアル・マドリードファンの聖地!
「サンティアゴ ベルナベウ スタジアム」

サッカーファンならご存知の方も多いと思いますが、この「サンティアゴ ベルナベウ スタジアム」は、リーガエスパニョーラに所属するレアル・マドリードのホームスタジアム。約8万人の観客を収容できるそうですが、1954年までは立ち見席があり12万5000人もの観客を収容できたそうです。

スタジアムの名称は、選手として活躍し、後に会長としてレアル・マドリードを世界的なクラブチームへと導いたサンティアゴ・ベルナベウに由来しているそう

 

スタジアムに来たからには試合をライブで見るのも楽しいですが、気軽にそして選手を身近に感じられる「レアル・マドリード博物館とスタジアム見学ツアー」もおすすめです。試合が行われない日や時間帯に行われ、誰でもツアーに参加することができます。ツアーのコースは、まずスタジアムの最上階まで上がり、一番高いところからスタジアム全体を見るところからスタート。その後は、スタジアムに併設されている博物館の見学、選手が実際に使用してるロッカールームや試合時に選手が出てくるトンネル、ベンチ、ピッチなどが見学できます。ベンチに座ることもできちゃいます。

博物館には、創立当時の記録や歴代の名選手の写真、ユニフォームが展示されているだけでなく、これまでに獲得した十数個ものトロフィーが飾られています。歴史に残る試合のビデオが流れているコーナーなどもあり、レアル・マドリードの歴史がぎゅっと詰まっています。この他、選手と写真を撮ったように仕上がるフォトモンタージュや選手になりきって記者会見を体験できるスペースもあるので、ぜひお試しあれ!そして、ツアーの目玉ともいえるロッカールーム見学は、選手各自のロッカーがずらりと並んでいたり、試合後に入るお風呂があったり。ファンならずとも、必見の価値ありです。対戦相手のロッカールームも見学できるのですが、レアルの選手のロッカールームとは違い殺風景な印象が・・・。2つのロッカールームの違いを見られるのもこのツアーならではです。

往年の名選手のユニフォームも飾られ、レアル・マドリードの歴史を感じることができます

ツアーのゴールはオフィシャルショップ。選手の背番号と名前入りのユニフォームやタオルといったグッズが揃っているのでお土産にいかがでしょう。

優勝した2010年のW杯でも、スペイン代表として活躍したレアル・マドリードのゴールキーパー イケル・カシージャスが使用したグローブが展示されていました

サンティアゴ ベルナベウ スタジアム
ツアー料金:大人25ユーロ、子供(14歳まで)18ユーロ
住所:Av.De Concha Espina,1-28036 Madrid

 

マドリードの伝統工芸を訪ねて。
フラメンコギター工房「フェリペ コンデ」

スペインといえばフラメンコ。踊りはもちろんですが、哀愁のある音色で踊りを盛り上げるギターも気になるところ。そこで、フラメンコのギターを製作する工房「フェリペ コンデ ギター工房」にお邪魔しました。1915年に創立した工房で、ここから多くのギター職人が巣立っているそうです。現在、工房を仕切っているフェリペさんは4代目。顧客には、故パコ・デ・ルシアといったフラメンコの大御所がいる他、日本のお客さんもいるとか。

作業は分業で。ギターフェイスの周りに模様が描かれた細くて薄い板をはめ込んでいるおじいさん

 

ギター製作の工程のほとんどが手作業で行われます。小さな工房の中には、製作に使う道具がところ狭しと並んでいました。素材は、古い杉の木で、これを薄い板に加工した後、ギターの形にカットしたり、繊細な力加減で湾曲させ丁寧に組み立てていきます。

フェリペさんの工房のギターの特徴は、倍音が少ないこと。弦を爪弾くと、クリアの音色が広がります。また弦と指と板との調節が絶妙で、演奏家にとって、とても弾きやすいんだそうです。

丁寧に、丹精を込めて作られたフラメンコギター。プロのギタリスト達が、愛してやまない名品です


コンデファミリー。右から二番目の男性がフェリペさん

 

 

 

 

インスタ映えするスポット
「アルカラ門」と「マジョール広場」

レティーロ公園のすぐ隣、インデペンデンシア広場の中央に「アルカラ門」があります。5つのアーチからなるこの美しい門は、イタリアの建築家フランチェスコ・サバティーニによるもの。

門の上部には戦いの天使やキューピッドの像が装飾され、威風堂々、荘厳な佇まいです。実は、サバティーニのアルカラ門は2代目なんだそうです。1595年に建てられた最初の門は、時の王カルロス3世によって取り壊しに。その理由は、なんとデザインが気に入らなかったからだとか。明るい日差しの中で見る門も美しいですが、夜はライトアップされ幻想的な雰囲気が楽しめます。周辺にはカフェやバルが集まっているので、美しい門を眺めながらの一杯は、これもまた格別です。

マドリッド商工会議所のあるビルの屋上からの1枚。環状交差点になっているので、写真を撮る時は車に注意ですよ!

 

マドリード旧市街にある「マヨール広場」は、ぐるりと周囲を建物に囲まれた長方形の広場です。

ここは15世紀から19世紀中頃までは市場として利用されていたそうで、肉や野菜、果物、布や衣類の屋台が並んでいたというから不思議です。現在も、毎週日曜日には切手やコインの市ががたつそうです。また12月になると、イエスキリストの誕生のシーンを描いたベレンがお目見えし、クリスマスマーケットが開かれます。

広場を囲む建物は4階建て、なんと広場に面したバルコニーは200以上あるそうです。現在、観光インフォメーションセンターが入っている「カサ・デ・ラ・パナデリア」の外壁には、マドリードの歴史と関係のある神話の神々が描かれています。柱廊の奥には、手工芸品や、バルが軒を連ねているので、お土産探しをしたり、食事をしながら疲れた足を休めるのに最適です。

壁面に神話の世界が描かれている「カサ・デ・ラ・パナデリア」

マヨール広場のクチリェロス門から出るとすぐに、1725年に創業し、世界最古のレストランとしてギネスブックにも載っている「ソブリーノ・ボティン」があるので、ぜひ立ち寄ってみて。

フェリペ3世の騎馬像が中央に鎮座ましています。手前にある街灯の台座には、カップルが愛を誓って付けた錠前がぎっしり。実は、年に1回、市役所の職員さんが大型のカッターで、全部取り外しちゃうんだそうです

 

スペイン近代・現代芸術を見るならここ
「ソフィア王妃芸術センター」

最後に美術館を1つご紹介。ここ「ソフィア王妃芸術センター」は、スペイン高速鉄道AVEの発着駅「アトーチャ駅」のすぐ近くにあります。18世紀末に建築家フランチェスコ・サバティーニが建てたサン・カルロス病院を改装し、1990年に開館しました。20世紀の近代・現代美術を中心に約18000点が所蔵されています。ちなみに19世紀までの作品はプラド美術館に収蔵されています。

所蔵作品が多くなりジャンヌ・ベールが設計した新しい建物が2005年にオープンしました

 

館内は「1900~1945:20世紀の到来 ユートピアと戦争」「1945〜1968:戦争は終結したか?分割された世界のための芸術」「1962〜1982:反乱からポストモダンへ」の3つのセクションで構成され、常設展では、ピカソやダリ、ミロなどスペインの近代美術絵画やキュビズムの流れを組む作品を見ることができます。とくにピカソの作品は充実していて、青の時代の作品や初期の作品、コンクールに落選してしまった作品までもが展示されています。また有名な「ゲルニカ」は、元々はプラド美術館別館にあったそうですが、20世紀の代表作としてこちらに移されたそうです。

この「ソフィア王妃芸術センター」は、前国王ファン・カルロス1世の王妃ソフィア妃にちなんで名付けられましたが、センターという名前が表すように、美術品の展示だけでなく美術品の研究や実験、考察などが行われています。

鑑賞の後は、モダンな空間でティータイムをどうぞ。アートな椅子やテーブルが印象的です

ソフィア王妃芸術センター
住所:C/Santa Isabel 52-28012 Madrid

グルメにショッピングに観光にと、3回に渡りリポートしてきましたが、いかがでしたか?恋に落ちちゃいましたか?このリポートが、旅の参考になれば嬉しい限りです。ではでは、マドリーッドの旅行を計画している皆さま、¡BUEN VIAJE! 良い旅を!

 

写真/文:垣花幸子

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