茨城というとどんなイメージがあるでしょう?
北関東に位置する茨城県は山や海などの豊かな自然に恵まれ、歴史的な伝統を受け継ぐ祭りや工芸も数多く存在します。その一方で日本を誇る開発研究施設も保有する正にバラエティに富んだ魅力があると言えるでしょう。
「茨城と言ったら水戸納豆しか思いつかない…」そんなイメージを払拭すべく、知られざる茨城県の魅力を今回は県北中心にフォトグラファーのyOU(http://www.youk-photo.com)が3回に渡ってご紹介する最終回です。
古代より信仰の聖地だった御岩神社。188柱もの神様仏様が祀られる超パワースポット
今でこそパワースポット巡りは人気の旅の目的の一つではありますが、ここ御岩神社は700年の歴史を持つ神社。188注もの神様が祀ってあることから日本のほとんどの神様にお参りができることでも知られています。
朝の光が木々の間から溢れるまっすぐに伸びた山道を進むと、右手に巨大な三本杉。この立派に伸びた三本杉は県指定の天然記念物で、周囲約9メートル、高さはなんと50メートルに渡り、樹齢は推定600年とも言われています。地上3メートルのあたりから3本の幹に分かれて、それぞれがまっすぐ直立する光景にまずは圧倒されることでしょう。この三叉に天狗が棲んでいて人々から恐れられた伝説もあり、またの名を「天狗杉」とも言われています。木の幹に触れることはできませんが、仰ぐだけでもそのパワーを感じられるでしょう。
三本杉の先にある楼門をくぐると更に空気が締まり、凛とした空気が漂いました。まっすぐに伸びる杉林の美しさも背筋が伸びるような光景です。
しばらく進むと文化財に指定される木造の大日如来坐像と阿弥陀如来像が祀られている斎神社へ。このお堂の天井画は「御岩山霊龍図」と題され、2016年の県北芸術祭に出展された岡村美紀さんという若手画家による最近の作品。御岩山の上空を飛行する龍が雲の間からこちらを見ている様子は、これまで天井画に描かれることのなかった上空からの視点でとても珍しく、女性的な柔らかさや優しさも感じることができます。
宇宙開発が進み、衛星や宇宙船から地球を見ることができるようになった現代の世界観を描きつつ、人々の内に消えることのない自然や神秘的な存在への信仰を、迫力ある龍の眼差しに描いているそうです。この天井画が古の空間に全く違和感がなかったことに非常に驚きました。それはまるで昔からそこにあったような佇まいでした。
お堂を過ぎるとその先は険しい山道が続くので、歩きやすい靴を履いていくことをお勧めします。天照大御神を祀ったかびれ神宮を越え、岩場の洞窟で天岩戸を拝むことができます。天照大神が日本神話の中で天岩戸に身を隠し、神々がこぞって天照大神をそこから出そうとする伝説はあまりにも有名。日本最強とも言われるほど強力なパワーを感じられる御岩神社。いい気が漂う山道を歩けば、心と体を清められることでしょう。
住所:茨城県日立市入四間町752
電話:0294-21-8445
アクセス:車利用の場合は常磐道、日立中央ICから10分
公共機関利用の場合は常磐線で上野から日立、日立駅からバスで35分
車でお越しの場合は、御岩神社からドライブがてらこんな素敵なスポットに立ち寄るのもいいかもしれません。
茨城県高萩市の花貫川第一発電所の水路橋として現在も利用されるめがね橋は、国の有形文化財に登録されています。鉄筋コンクリートのアーチ型の橋は両側の山を結んで77.4メートルに渡り、名称通り、眼鏡のように見えることからそう呼ばれています。大正7年に花貫川第一発電所の設置に伴って導水のために設置されました。コンクリート造りの初期の造形がうかがえる貴重な近代遺産としてその佇まいに見入る橋の愛好家も多いとか。
豊富な海の幸!オリジナルのどんぶりが作れるおさかなセンターで味勝手丼はいかが?
茨城は山も海も豊富な土地。山側から一気に南東に向かって海側に出ると美しい外房の水平線に目を奪われます。久慈漁港からほど近い日立市南部の道の駅「おさかなセンター」は地元ユーザーから観光客まで通年大勢の人々が訪れる人気のスポット。こちらではちょっと変わったどんぶりが食べられるとのことでうかがってみました。
魚介の宝庫、大海を目の前にしたこちらのおさかなセンターでは、豊富な海鮮物の数々や手作りのお惣菜、珍味がズラリと並びます。この中から好きなものをチョイスしてレジでご飯のサイズを伝えると、ご飯だけが入った丼を渡されます。席に着いたら自分の好きなものだけを盛り付けたオリジナルのどんぶり、その名も「味勝手(みがって)丼」の完成です。
久慈漁港に上がった地物の魚介は目の前でさばかれて浜焼きで楽しむこともでき、リーズナブルで種類豊富な海産物に目移りしてしまいそうです。
あかつ水産
9:00~18:00
休日:水曜日
住所:茨城県日立市みなと町5779-24
電話:0294−54−1008
大自然を満喫!利根川河川敷でセグウェイ体験ツアー
セグウェイはオフロードの立ち乗り型電動二輪車。最近ではアクティビティとして徐々に普及しつつありますが、それでも経験したことのない人はまだまだ多いはず。そんな初心者にも嬉しいセグウェイ体験ツアーを最後にご紹介しましょう。
日立市から東京方面に向かって千葉県、埼玉県との県境にある境町。この町の道の駅さかいから車で2分ほどの場所に2015年にオープンしたのが堺リバーサイトパーク。利根川河川敷に広がるこの場所は菜の花や桜も楽しむことができ、高瀬舟での川めぐりやバーベキューなど水辺に親しむ観光拠点として訪れる人も多い中、夏に人気のアクティビティがセグウェイ体験ツアーです。専門のインストラクターがいるので、初心者でも安心してパーク内の開放感たっぷりのコースを楽しむことができます。
セグウェイは最初はちょっぴりスリルを感じますが、身を任せると思った通りに自由に動けて快適。スピードを調整しながらオフロードでの心地よいライドを堪能できます。
金曜日、土曜日、日曜日と祝日のみの開催
40分コースは4000円、2時間コースは15~17時のみの受付で1名8000円。完全予約制です。
受付時間:10:00~,11:00~,14:00~,15:00~
受付:道の駅さかい(0280-87-5011)
住所:茨城県猿島郡境町1341-1
茨城体験の完結編。いかがでしたか?
海に山に大自然を楽しむ茨城の魅力。春の行楽シーズンに計画を立ててはいかがでしょうか?
写真/文:yOU(河崎夕子)
今までの紹介記事はコチラから
第1回 〜 vol.01 茨城の大自然を体感できるアクティビティ
第2回〜 vol.02満天の星空!驚くべき自然の中でのBBQとグランピング