茨城県北西部、栃木県との県境に位置する常陸大宮市は、久慈川・那珂川という二つの清流が縦断する緑豊かな地。常陸大宮?ちょっとイメージがつかめないという方は、2017年の朝ドラ「ひよっこ」で、茨城出身の主人公の故郷のロケ地になった場所というと分かりやすいでしょうか。東京からは車で約1時間30分、長閑な里山の風景が広がっています。家族で、グループで自然を満喫するアクティビティ満載の1泊2日のモニターツアーに参加、常陸大宮の魅力に迫ります。
もぎたて野菜でBBQ!「道の駅 常陸大宮~かわプラザ~」
夏から秋にかけて鮎釣りのメッカとして知られる久慈川。その川のほとりに立つ道の駅には、手ぶらで体験できるバーベキュー施設があります(要予約)。広々とした親水広場を望み、川から吹く風は爽やか。さらに施設内にある農園で収穫体験を楽しみ、とれたての瑞々しい野菜もいただきましょう。
今回はミニトマトとナスを収穫! ミニトマトは薄皮でピンク系のピンキー、オレンジ色の中玉・シンディーオレンジ、糖度が高い千果、リコピンが豊富なブラッディタイガーなど約20種類があり、それぞれ個性豊か。もぎたてをそのまま頬張れば元気がみなぎるようです。
ナスは5種類。特産の「奥久慈なす」のほかに「カレーなインド」「揚げてトルコ」「炒めて台湾」などユニークなネーミングのものもあり、色や姿も独特です。焼きたてのナスの美味しさやジューシーな瑞穂牛など大満足!
さらに特別にスイカ割りも体験!子どもたちは大はしゃぎでした。
道の駅にはほかに直売所やレストラン、フードコート、アユの塩焼きを売るコーナーなどもあり、ぜひ立ち寄りたい施設です。
ログキャビンに泊まり、星空観察!「花立(はなだて)自然公園」
宿泊は地元の良質な杉材の丸太をふんだんに使うログキャビンで。桜や紫陽花の名所としても知られる花立自然公園にあり、子どもの頃のわくわく感がこみ上げる素敵な施設です。園内には宇宙がテーマのアスレチックもあり、くたくたになるまで遊べます。
夜は、天文台「美スター」で満天の星々を観察します。ちょうど火星が大接近、天気も良く絶好の条件でした。大きな天体望遠鏡からは木星も土星も確認でき、暗闇に目が慣れてくると夏の大三角形や天の川もしっかりわかるようになります。灯りのない時代に思いを馳せながら、首が痛くなるまで空を見上げていました。
願いが叶うふくろう神社「鷲子山上(とりのこさんしょう)神社」
標高約460m、常陸大宮と栃木県の那珂川町の県境に位置する山上にある神社で、境内も茨城側と栃木側に分かれているという、珍しい社です。主祭神は天日鷲命(あめのひわしのみこと)という鳥の神様。神の使いであるフクロウが境内のいたるところに祀られ、「福ふくろうロード」には約100体が配されて、四季折々の花々に囲まれています。フクロウは幸福を招く神鳥として崇敬されており、日本一大きいというフクロウの御柱もあり、参拝者が宝くじで高額当選をしたという話もあるほどご利益が高いとか。「不苦労」を願ってみてはいかがでしょうか。
水で遊ぶ!初心者でも安心の那珂川カヌー体験
大自然を満喫するならカヌー!ということで、那珂川河川敷にある「Storm Field Guide」のベテラン指導員とともに小学生でも参加できる初級者用カヌーを体験。濡れてもいい服装に着替え、河原へ。準備運動とともに、バドルの使い方やカヌーの乗り方などを習い、さらに水に慣れるために川にドボン! いざ、出発です。
最初は恐々、慣れてくると大胆にパドルを動かし前進…のはずが、左右の力が均等でないため曲がってしまったり、川上に向かってはなかなか進んでくれなかったりと、いろいろありながら心地よい風と水音を感じながら存分に満喫。浅瀬では水遊びに興ずるなど、時間を忘れてアウトドアを楽しみました。
シャワーを浴び、着替えたらランチタイム。今回は市内の病院が経営する「コミュニティカフェ バンホフ」からのデリバリーです。栄養士さんのもとで考えられたメニューは季節の食材を使ったバランスの取れたものばかり。サラダやトマトのマスタードマリネ、ピクルス、チキンのレモンクリーム煮、ペンネなど。五穀米のおにぎりやカボチャのポタージュ、さらにデザートまで付いた、ヘルシーで美味しい料理。思いっきり体を動かして、おなかペコペコの参加者たち、あっという間に平らげてしまいました。バンホフさん、移動販売車でも美味しいランチを提供されています。
ちょっと足を延ばせば、里山の美しい自然が溢れ、その自然の恵みをいただき、遊ぶことができる。こんな場所が第二の故郷だったらどんなにいいだろう。そんなことを思いながら、元気な子供たちやそのファミリーとともに、ツアーに参加させていただきました。
常陸大宮って何があるの?その答えはどうぞご自分の眼で確かめていただければ! 心癒され、体が元気になる旅でした。
写真/yOU(河崎夕子)
取材・文/関屋淳子